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糖尿病網膜症
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| 日本人の中途失明者の中で最も多いのが「糖尿病網膜症」で、厚生労働省の調査研究報告書によると、毎年約3000人もの失明者が発生しているそうです。生活習慣病のひとつに数えられる糖尿病の3大合併症の中でも、気づいた時には失明寸前ということもあるために最も恐ろしいとされる病気のひとつです。そのため、眼科検診による早期発見・早期治療が病気克服への近道です。 |
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| 現在全国の医療機関で糖尿病の治療を受けている患者数は約220万人とされていますが、実際に糖尿病を患っている人はその3倍以上の740万人といわれ、そのうちの約2.6%が糖尿病網膜症にかかっていると推測されます。糖尿病網膜症は成人における中途失明原因の第1位にあげられていますが、その恐ろしさを認識しないまま、糖尿病を治療せずに何年もの間放置したままの方が非常に多く、気づいた時には視力が取り戻せないという方が後を絶たない状況なのです。 |
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| ■糖尿病網膜症とは? |
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| インスリンは血液中にあるブドウ糖を細胞が取り込みエネルギーに替えるのを助ける働きがあり、不足すると栄養が体内で有効に利用されなくなります。糖尿病はこのインスリンの不足が原因で起こる病気で、ムダになった糖分が血液や細胞の中にたまるために、血糖値が高くなるのです。 |
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| 糖を多く含んだ血液は、血管の壁に障害を引き起こします。糖尿病網膜症とは、この障害が網膜に起こる病気です。現在のインスリン治療法がなかった頃は、糖尿病で命を落とす人もいましたが、治療法の進歩に伴い、逆に糖尿病に端を発する網膜症などの合併症の方が恐ろしいといわれるほどです。 |
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| 糖尿病網膜症は人によって個人差がありますが、糖尿病になって5〜10年ほどで視力低下などの自覚症状が現れるようになります。病気がかなり進行するまで自覚症状がほとんど無いため、気づいた時には深刻な状態ということが多々あります。 |
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| ■糖尿病網膜症の発生メカニズム |
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| 網膜は目の一番奥にあって光を感じる部分。カメラに例えればフィルムにあたり、細い血管が何本も通っています。高血糖が続くことで、網膜血管の一部が拡張してコブのようになったり、血管の壁が壊れやすくなり血液成分が漏れて出血、むくみ、白斑などの糖尿病網膜症の初期症状が現れます。これを「単純網膜症」と言いますが、まだこの時期には視力低下は起こりません。 |
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| 単純網膜症の段階であれば、血糖値をしっかりコントロールすることで、病気の進行をくい止めることも可能です。しかし、実際は成人が患う大半の糖尿病は、いつ頃から病気になったかが正確に判明しないことが多く、糖尿病と診断されて間もないから網膜変化も初期段階だとは言い切れないのが実情です。 |
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| 高血糖の状態をそのまま放置すると、血管のつまりが進み「増殖前網膜症」に進行します。網膜に出血や白斑が増え、網膜の中心にある黄斑部にむくみが広がり(糖尿病黄斑症)、視力低下やモノが歪んで見えるなどの自覚症状が現れてきます。 |
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| これがさらに進むと「増殖網膜症」へと移行していきます。酸素不足に陥った網膜には、血液の通りを確保するために、網膜に接している硝子体の中にまで新しい血管ができます。この血管はとてももろく、血圧上昇などのちょっとした衝撃ですぐに破れて「眼底出血」を起こしたり、硝子体が網膜を引っ張って「網膜はく離」を起こすことになります。 |
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| さらに新生血管が網膜や硝子体だけでなく虹彩部分にまでできてくると、眼圧が高くなり、しばしば痛みを伴って血管新生緑内障を引き起こすのです。 |
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| ■眼底検査で早期発見、早期治療を! |
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| 糖尿病網膜症の発見・診断は主に眼底検査ですが、眼底写真撮影や蛍光眼底造影撮影を行うこともあります。早期発見・早期治療が大切なため、網膜症でない糖尿病患者さんでも、年に1回は眼科医の定期検査を受けることを心がけましょう。 |
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| 進行してしまった網膜症は、内科的治療に加え、外科的処置が必要となります。レーザー光線による光凝固療法と硝子体手術が主なものです。 |
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| レーザー治療は、血流不良になっている網膜にレーザー光線を照射して、網膜細胞を凝固壊死させて、眼球内の酸素不足を解消する治療です。適切な時期にこの治療を行うことで、新生血管の発生・増殖をくい止めることができ、また施術時間も短いので数回の外来治療で済みます。 |
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| 網膜症がさらに進行し硝子体出血や網膜はく離を起こしている場合は、硝子体手術を受けることになります。これは顕微鏡下で硝子体を切除し、眼球内の血液を吸引、増殖膜を切除するもので、精密な技術が必要となり、通常2〜4週間ほどの入院が必要です。 |
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| レーザー治療などの成功率も高くなってきましたが、それでも思うような視力回復に至らない場合もあります。糖尿病は働き盛りの年代に多く発症するため、忙しいことなどを理由に検診や治療を放置してしまわないよう、糖尿病及び糖尿病網膜症に対する意識の向上が大切です。 |
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| ※データの出典/厚生労働省「平成14年 糖尿病実態調査」 |